経営者のイメージと現実

起業や経営は聞こえはいいですが、実際は見た目とは異なり大変な事です。

世の中では社長と言われると、お金持ちとか高級な車に乗って、大きな家に住んで何不自由ない生活ができていると考えがちですし、髭を生やした恰幅の良い人物像のイメージはまだまだ崩れていません。

最近はIT企業の成功で、サークル的なイケメン若社長という新しい社長像も浸透していますが、いずれにせよお金持ちという印象ですよね。

ただ、私の周囲の中小企業経営者たちはそのイメージと全くの対極で、常に運転資金の工面に駆けずり回り、身だしなみも最低限、期越えの良い首都圏の大企業以外の大多数の経営者は、サラリーマンよりも疲れ切っているように感じます。

一瞬にしてすべてのものを無くす危険性もありますので気を付けていなければいけません。

バブルの時代の様な事もありますし、リーマンショックの時の様にあっという間に株券がただの紙切れになってしまう事もある時代です。

今はあまり聞かなくなりましたが、夜逃げという話もあったくらいですからこれからも慎重に経営をしていかなければいけません。

ビジネスや商売は博打と言われるのはこういう事からも言えます。もしも資金が足りなくなったら、まずは自分の自己資金を取り崩し、取引の銀行や郵貯に相談して事業資金を融資してもらえるようにするはずですが、貯蓄するときの銀行などの態度と融資などの時の銀行サイドの態度はだいぶ異なります。

また貸してくれる確証もありません。

メインバンクを十分に利用していたのに融資を断られるケースもあちこちで聞きます。
今までの取引状況よりも銀行本体の貸し渋りや総量規制、グレー金利撤廃などで審査場条件が厳格化されてしまい、ピンチの時に縋り付いたが遅かったという事が多々あります。
確かに銀行及び郵貯も株式会社なので、金融状況によると融資どころか自分の懐が厳しくなることもあるわけで、投資および融資も自分の会社を大きくするための手段の一つなのです。

ない袖は振れぬと言われるように取り返せる根拠のない会社にはお金を貸す事はできないと言われるのは筋が通っています。

ましてや、返せる当てもない会社に融資したりお金を貸したりするのは非常に危険な行為です。

連鎖ということも考えなければいけません。

銀行などで借りれなければ、親族や友人。親や兄弟に頭を下げるという事もあります。

とにかく乗り切らなければいけないのです。最悪は闇金などで借りる人もいます。

社長さんと言われる経営者はそのような事も考えながら日夜会社を運営しなければいけません。

会社と従業員及びその家族、自分とその家族を一手に守り抜くという事は大変な仕事です。